観光都市として人気のスポットが多数ある九州地方の土地といえば、長崎県です。
首都圏から旅行にも行きやすく、何度でも訪れたくなる魅力あふれる地域です。
数多くの魅力が多い長崎で生まれ育った方の中には「今は首都圏で仕事をしてるけど、いつかは長崎に戻るためにUターン就職がしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は長崎県へのUターン就職・移住におけるメリットや補助金、支援金、注意点についてご紹介していきます。
長崎県へのUターン就職・移住の事情
長崎はどんな土地なのか
長崎は九州にある人気の観光都市です。
オランダの街並みを再現した「ハウステンボス」や「オランダ坂」といえば聞いたことがある方がほとんどなのではないでしょうか。
豊富な観光スポットだけでなく「稲佐山」といった夜景がとても綺麗な場所や、世界文化遺産にも登録されている「軍艦島」なども有名です。
長崎県では、グルメも有名で「ちゃんぽん」や「皿うどん」などがあります。
他にも、子供であれば皆が大好きな「ミルクセーキ」も実は長崎発祥のグルメなんです。
長崎は観光名所としてはもちろんのこと、原爆資料館や平和公園など、日本の歴史や戦争についての知識に触れることのできる土地でもあります。
平和都市としても認定されていますので、戦争の悲惨さを学ぶ機会を得たい方は一度訪れてみると良いでしょう。
職種の特徴
観光都市、平和都市と様々な顔を持った長崎県ですが、主にどのような職種が多いのでしょうか。
長崎県の求人サイトなどで主に募集されている職種には以下のようなものが挙げられています。
- 営業職
- コールセンター勤務
- 住宅アドバイザー
- 販売、接客
- 美容系
- ブライダル
- 保育関連
- WEB、IT
- 建築系
首都圏以外の土地や観光で有名な土地だと仕事が少ないイメージを持っている方もいるかもしれませんが、上記を見てもわかるように全くそのようなことはありません。
むしろ近年ではどんな地域にも職種が豊富になってきていますし、もちろん長崎もその例に漏れません。
首都圏で学んだ知識や経験をそのまま長崎に持っていく、なんてことも可能になってきます。
長崎県の平均年収
では、実際に長崎県に勤務することを考えるとして、職種と同じくらいに気になることといえば賃金や年収についてかと思われます。
長崎県で勤務した場合の平均年収はどれくらいなのでしょうか、年齢別に平均の数値をまとめていきます。
長崎県の年収の基本的なデータはこちらです。
平均年収 | 約365万円 |
平均月収 | 約30万円 |
都道府県ランク | 48都道府県中43位 |
では続いて、年齢別に平均年収をまとめてみましょう。
年代 | 平均年収 |
20代 | 289.7万円 |
30代 | 357.8万円 |
40代 | 435.7万円 |
やはり東京都などと比べると平均年収は下がってしまいますので、とにかく稼げるようになりたい!という考えでの就職よりも、どちらかというとゆったりとお仕事をしていきたい場合での就職として考えた方が良いかもしれません。
有効求人倍率について
現地で生活をしていない場合だといまいちピンとこない有効求人倍率ですが、就職に関してはこちらも重要な指針となります。
では、長崎県の有効求人倍率について見ていきましょう。
令和3年1月から5月までの数値の推移はこちらとなっていますので、参考にしてみてください。
対象月 |
有効求人倍率(季節調整値) |
就業地別有効求人倍率(季節調整値) |
---|---|---|
令和3年 1月 | 0.98 | 1.06 |
令和3年 2月 | 1.00 | 1.09 |
令和3年 3月 | 1.04 | 1.12 |
令和3年 4月 | 1.04 | 1.16 |
令和3年 5月 | 1.04 | 1.18 |
主な通勤手段
長崎県で勤務する際の主な通勤手段ですが、雪が大量に降ったりするわけではないので、そこまで交通の不便さはありません。
ですので首都圏と同様に電車での通勤がメインになってくるのかと思います。
他には路線バスや自家用車などといったように、就職前の通勤手段と大きく変わらないのではないでしょうか。
今は運行を終えてしまったようですが、以前は通勤船というのがあったみたいです。
一度乗って出勤してみたくかったけど残念…と思う方も多いでしょう。
そんな方は通勤時にもし海が見えるようでしたら、船に乗っているような気分に浸りながら通勤してみてはいかがでしょうか?
長崎県における特有の仕事は何があるのか?
首都圏と職種の多さはさほど変わらない長崎県ですが、長崎ならではの求人も多数あります。では、どのような求人があるのか見ていきましょう。
長崎といえば、やはりハウステンボスが有名なので、ハウステンボスに関連する職種は長崎ならではと言えるでしょう。
ハウステンボスに関連する求人は施設内や駅での勤務が多く、カフェやショップ、レストランのスタッフなどが多く見られます。
他にも、ハウステンボスのホテルのフロントスタッフや、WEBで運営をサポートする求人もあるようです。
ハウステンボス以外にも多くの観光名所がありますので、長崎ならではの仕事をしてみたいという方はこういった観点から探してみると良いかもしれません。
長崎県へのUターンにおける補助金や助成金、支援金について
Uターン就職を考えている方にとって、気になるのは補助金や助成金などの支援金についてでしょう。
長崎県では「移住支援補助金」というものがあり、2人以上世帯の場合:100万円・単身の場合:60万円を受給することができます。
では、どのようにすれば受給できるのでしょうか。
移住支援補助金を申請する条件
移住支援補助金を申請するのに必要な条件について押さえておきましょう。
条件として挙げられるのは主に以下の項目です。
①長崎へ転入する前日まで連続5年以上東京23区に在住、通勤をしていた
②転入してから3ヶ月以上、1年以内である
③補助金の申請から向こう5年間長崎に在住する意思がある
④反社会勢力関係者ではない
⑤日本への永住資格を保有している
これらに該当していることで、補助を受けることができます。
反対に、該当していない項目がある場合やその判断が難しい場合は長崎県に直接問い合わせてみると良いでしょう。
必要書類について
Uターン就職の補助金申請に必要な書類は主に以下の通りです。
- 住民票の除票
- 長崎市での住民票
- 完納証明書
- 就業証明書
- 雇用保険の離職票の写し
- 雇用保険の喪失確認通知書の写し
個人事業主や創業者の場合は、上記に加えて戸籍謄本や確定申告書の写しも必要になります。
長崎県へUターン就職するメリット3選!
では、実際に長崎に就職を考える際に気になるのは、どのようなメリットがあるのかというところではないでしょうか。
また、メリットと合わせて長崎へ就職をする上での注意点についても知っておくとより良いでしょう。
ここでは、長崎へUターン就職をするメリットについてご紹介していきます。
長崎への就職のメリットは主に以下の3つです。
生活費が安くなる
まずは「生活費が安くなる」ということについてですが、やはり首都圏と比べると圧倒的に家賃や食費などがかなり押さえられます。
特に家賃ですが、首都圏だとワンルームを借りるのが精一杯の値段でも大きな部屋を借りることができるほどです。
お金をかけて狭苦しい生活…という印象を首都圏に持ってしまっている方には朗報でしょう。
通勤ラッシュが少ない
続いては「通勤ラッシュが少ない」という点についてです。
皆さんも首都圏での通勤時にあの慌ただしい駅の雰囲気に圧倒されたのではないでしょうか。
長崎県と比べると、東京や神奈川などは電車での出勤がメインになってきますので、どうしてもラッシュとは向き合っていかなくてはいけません。
反対に長崎県であればラッシュの多い駅もそこまで多くありませんし、自家用車で出勤できる場合も多いのでこういったストレスからは開放されるのではないでしょうか。
首都圏で感じやすいストレスがない
最後は「首都圏で感じやすいストレスがない」という点。
先ほどの通勤ラッシュについても同様ですが、首都圏に対してはなんとなく「狭苦しくて、冷たい雰囲気」と感じる地方出身者が多くいるように感じます。
24時間常にどこかに明かりがついていて、全体的に自然も少なくて休みがない印象の首都圏…。
長崎県であれば、こういった慌ただしく落ち着かない雰囲気からは離れることができますので、都会の雰囲気に疲れてしまった、という方にはおすすめしたい観点です。
長崎県のUターン就職で押さえておきたい3つの注意点!
首都圏での就業、生活と比べるとメリットの多い長崎県への就職ですが、首都圏と比べて劣っているポイントも当然ありますので、押さえておきましょう。
メリットと合わせて押さえておきたい注意点ですが、主に以下の3つが挙げられます。
では、それぞれについて解説していきましょう。
求人自体が少ない
「求人自体が少ない」という点ですが、一度首都圏で仕事をしたことがある方であればもうわかっている観点かもしれません。
流行や技術、システムなどの多くはやはり首都圏から発信されていくものなので、それに比例して求人も多くなっています。
長崎県などの地方だと、首都圏からの発信を「受け取る」側にどうしてもなってしまいますから、求人も少なくなるのですね。
年収が下がる可能性がある
「年収が下がる」というのも上記の「求人自体が少ない」に付随するかもしれません。
物価も安いので、その分賃金が低くなる側面もあります。
首都圏以上に稼ぎたい、という気持ちのみで長崎へUターンしてしまうのは危険と言えるでしょう。
地方の雰囲気に馴染むまでに時間がかかる場合もある
仕事をするだけでなく、生活していくことも考えると「地方の雰囲気に馴染むまでに時間がかかる場合もある」ことについては理解しておきましょう。
生活圏内でのコミュニティの関係性や、地域特有のルールや雰囲気など、理解しそびれると生活自体がしづらくなるといった側面があるのが地方での生活です。
これら3つの注意点をしっかりと理解し、対策を考えておけばUターン就職も前向きなものになるでしょう。
長崎県へUターン就職するために必要なことを紹介!
最後に、長崎県へUターン就職をする前に準備しておくことについてご紹介します。
まず何より、就職先を確定させておくことが大切です。
一度済んだことがある土地だとしても、まだ仕事が決まっていないのに引越しをするのはとても危険です。
本来の目的である「長崎県で働く」ための最低限の準備なので、しっかり行っておきましょう。
他には、Uターン就職をする理由を企業に対して前向きに伝えられるよう準備するのも忘れてはいけません。
「首都圏での生活に疲れたから…」「長崎の方が自分には合ってるから…」
例えそれが本心とはいえ、そんなんことを言う人を採用したいという企業はありません。
自分が長崎で何をしたいのか、首都圏で学んだことを長崎でどう活かしていきたいのか、などといったように、同じ意味でも前向きに伝わるような言葉や考えを用意してから就活に臨んでいきましょう。
それに付随して、自分に何ができるのか、何を企業に売り込めるかなどの「自己分析」も怠ってはいけません。
自分のことを客観的に見て、それを企業側にしっかりと伝えることができれば怖いものはありません。
また、実際に生活をする家や土地についての下調べも大切です。
先ほどの注意点の項目でも触れた、生活圏内のコミュニティは実際に住んでみないとわからないところがありますが、土地自体の特徴であれば調べておくことは可能です。
車通りは多いのか、遅くまでオープンしてる店がないか、仕事帰りに買い物に行きやすいところはあるか、などなど、生活に関連しているポイントについては細かく調べておくと良いでしょう。
【長崎県へのUターン就職・移住】まとめ
今回は長崎県へのUターン就職についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
長崎県は有名な観光都市なので人気のスポットやグルメも数多くあります。
平和都市の顔も持っていますので、日本人としての心をより高めることができるとても魅力的な土地です。
首都圏と比べて通勤ラッシュが少なく、なんとなく冷たく感じる首都圏特有の雰囲気に対してのストレスも少なく、穏やかで落ち着いた気持ちで仕事がしやすいのは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
その反面、求人の少なさや賃金の安さなど首都圏にはない不便さや不安要素もありますので、しっかりと良し悪しを理解した上で就職活動を行っていきましょう。
今後は生まれ育った長崎で仕事をしたい、長崎で自分の力を試したい、と考えている方はぜひ今回の内容を参考にUターン就職についてお考えください。