偕楽園(かいらくえん)や牛久大仏(うしくだいぶつ)などの豊かな自然と歴史に加え、納豆や大洗の海の幸などでも有名な茨城県。
都内へのアクセス環境の良さからも、テレワーク化が推進されている中で注目を集めている県の1つです。
都内在住の方で茨城県に戻ってリモートで働いていきたい方や結婚後は地元の茨城県に戻って暮らしたい方は、茨城県へのUターン就職が向いているかも知れません。
今回は茨城県へのUターン就職を考えている方への情報を余すところなくまとめてみました!
この記事を読んで、茨城県のUターン就職における悩みを解決しましょう!
茨城県へUターン就職する際に知っておきたいこと
これから茨城県にUターン就職を考えている方に向けて、茨城県の雰囲気や特徴、さらに茨城県ならではの魅力について紹介します!
茨城県の特徴
県庁所在地 | 水戸市 |
面積 | 6,097km2 |
人口 | 2,853,139人(11月1日) |
隣接都道府県 | 福島県、栃木県、埼玉県、千葉県 |
納豆やスタミナラーメンといった美味しいグルメが豊富に存在しています。
観光地としては日本三大庭園の1つである偕楽園(かいらくえん)やその下に広がる千波湖(せんばこ)などが有名です。
茨城県は他にも学園都市として知られるつくば市や本州一長い橋として知られる竜神大吊橋が存在する常陸太田市など、県内各所に多くの魅力的なスポットが存在しています。
都道府県魅力度ランキングにおいて、万年最下位だった実績から2020年にはついに最下位を脱却して42位になりました。
首都圏からもアクセス環境が良く、どんどんと注目を集め始めている県です。
茨城県にはどんな職種があるのか?
茨城県には現在どういった職種があり、またどういった職種が多く募集されているのでしょうか。
以下は茨城県労働局が出している、2020年10月の茨城県の産業別の一般新規求人数の状況をわかりやすくまとめたものです。
順位 | 産業名 | 新規求人数(一般+パート) |
1 | 医療、福祉 | 5,432 |
2 | サービス業 | 2,781 |
3 | 卸売業・小売業 | 2,336 |
4 | 製造業 | 1,899 |
5 | 建設業 | 1,578 |
上記表を見ていただくと分かる通り、医療・福祉の新規求人数が1番多く計5,432人という結果が出ています。
他の地方と同様、新型コロナ感染拡大の影響もあり、茨城県では介護士や看護師といった医療従事者の人材不足が嘆かれていることが、この表から理解できるでしょう。
次いでサービス業や卸売業・小売業の求人が多くなっています。
これらの求人が多くなっている1つの要因として、茨城県には常陸牛(ひたちぎゅう)やメロン、干し芋やあんこうといった特産品が多く、それらを県内で販売したり、全国各地に卸売りするためといったことが挙げられます。
他にも製造業や建設業でも求人が多く募集されているので「茨城県移住をした結果、仕事が見つからなった」という状況に陥ることは少ないのではないでしょうか。
また茨城県外の企業でエンジニアやデザイナーとして働いている方で、現在テレワークをしている方はぜひ茨城県に移住することをオススメします!
茨城県の日立市というところでは、ひたちテレワーク移住促進助成事業という政策を実施しています。
こちらは39歳以下の方で茨城県外の企業のテレワークを実施している方を対象に、最大151万円が助成される制度です。
加えて、市内のコワーキング施設やカフェなどと協力し、施設利用の支払いに使えるチケットを10万円分贈呈するなど、日立市はかなり魅力的な制度を敷いています。
茨城県の平均年収・賃金は?
茨城県で働いていく場合、どうしても気になるのが給料面だと思います。
アルバイトで働く場合の最低賃金と、茨城県の平均年収を都内と見比べてみましょう!
【茨城県の最低賃金】
時間額 | 効力発生日 | 適用範囲 |
851円 | 令和2年10月1日 | 茨城県内の全ての労働者に適用される |
茨城県の最低賃金は、令和2年10月1日より851円に改定されます。
都心と比較してみて、東京都が1013円、神奈川県が1011円という現状をみると、茨城県の賃金は決して高くないことが分かります。
ただ全国的に見ると、最低賃金の868円は全国で16位なので、各地方の中では比較的高い賃金形態となっています。
次に平均年収について都内と比較をしてみます。
【茨城県の平均年収(都内との比較)】
東京 |
茨城県 |
||
平均年収 |
平均月収 |
平均年収 |
平均月収 |
620.3万円 |
40.8万円 |
494.1万円 |
33.1万円 |
参照:CLABEL(β)人生の攻略サイト 【2020年最新版】東京都の平均年収
参照:CLABEL(β)人生の攻略サイト 【2020年最新版】茨城県の平均年収
茨城県の平均年収は491万円で、東京都の平均年収は622万円なので、東京都の約8程度の年収になることが分かります。
以上のような結果から、現在都内でアルバイト・正社員で働いている方にとって、茨城県へのUターン就職する場合は、年収ダウンの可能性があるという旨は把握しておいた方がいいでしょう。
茨城県の主な交通手段は?
茨城県で生活をしていく上で、主な交通手段として、やはり自動車は必要になってきます。
茨城県は人口千人当たりの乗用車保有台数が全国3位(平成25年)(※1)というデータがあることからも、車がいかに必要かが理解できるでしょう。
水戸市やつくば市、取手市や土浦市などの茨城県内でも都会な場所の駅近くに住むのであれば事情は異なりますが、基本的にそれ以外の地域で住むのであれば、日常の買い物でも自動車がないと生活はしづらい環境にあります。
自動車を運転できないという方で茨城県に住んでみたいという方は、都会な地域の駅近に住むor建てることで、日常生活においては不自由なく生活することはできそうです。
※1参考:「茨城県の自動車事情」
茨城県へUターン就職の助成金・補助金について
地域の支援制度は、就職、移住先を選ぶ要素の1つになります。
茨城県のUターンにおける助成金や補助金はどこまで充実しているのでしょうか。
- わくわく茨城県生活実現事業
- ひたちテレワーク移住促進助成事業
- トライアル移住・二地域居住推進事業
それぞれについてご説明していきます。
わくわく茨城県生活実現事業
この制度は、東京圏23区内に在住している方もしくは、同区内に通勤している方を対象にした制度です。
内容としては茨城県に移住をしマッチングサイト「いい顔で働こう いばらきの求人」に掲載されている対象企業に就職が決定した場合、または茨城県内で起業し「地域課題解決型起業支援補助金」の交付決定を受けた場合に、最大100万円の支援金を支給するといった内容となっています。
茨城県内に存在する44市町村の内、32市町村が対象地域となっており、
2人以上の世帯で移住した場合には、1世帯あたり100万円、単身で移住した場合には60万円が支給されます。
移住直前の10年間で通算5年以上東京圏に在住もしくは通勤しているなど支給には条件があるので、申請方法等、詳しい内容は茨城県の公式サイトを確認してみてください。
ひたちテレワーク移住促進助成事業
テレワークをしている39歳以下の茨城県外の企業の方、茨城県外の企業から受注して仕事を行うフリーランスの方々を対象に、日立市へ移住することによって住宅取得費、家賃、テレワーク機器購入費等が最大151万円助成金として交付される制度です。
日立市でアパート等に住む場合は最大101万5千円が支給、日立市に実家があって、実家に戻りたい方でも最大40万円を助成してくれるので、この制度を活用しない手はないでしょう。
参考:日立市(ひたちテレワーク移住促進助成事業を紹介します)
また日立市以外にも、テレワークをしながら移住生活を1泊〜3泊体験できる移住体験ツアーを県内4市町(土浦市,笠間市,潮来市,大子町)で実施してます。
大子町で行われる体験ツアーでは自然豊かな土地でのテレワークはもちろん、地域住民との交流することが可能です。
笠間市では「ETOWA KASAMA」というグランピング施設でのテレワークを体験することができるので、休日を使って気軽に体験してみてはいかがでしょうか。
トライアル移住・二地域居住推進事業
この事業は、東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)に立地する企業とタイアップをし、それらの企業に所属しているかつ地方移住に関心のある社員をトライアルとして茨城県に移住・二地域居住を推進するプロジェクトです。
すでにIT・ベンチャー企業など9社が参画し、企業合宿やワーケーション、テレワーク検証等を実施しているそうなので、生産性の向上や災害リスクを分散する上でも、地方移住を考えている東京圏の企業の方にとっても魅力的な制度となっています。
茨城県へUターン就職の5つのメリット
では実際に茨城県へUターン就職をする場合のメリットについて紹介します。
- 東京へのアクセス環境の良さ
- 恵まれた豊かな自然
- 物価が安い
- 多種多様な美味しいグルメ
- 1年間を通して過ごしやすい
それぞれについて説明していきます。メリットを通して、茨城にUターン就職することが自分に合っているのか確認しましょう!
①東京へのアクセス環境の良さ
茨城県は同じ関東圏内ということもあり、東京都へのアクセス環境が抜群です。
東京へは水戸駅の常磐線を使えば、1時間ちょっとで行くことができますし、つくばからつくばエキスプレスを使えば秋葉原まで45分で行くことができます。
電車だけでなく浅草・上野・東京各駅着の高速バスも発達しているので、こういった利便性の良さから都内に通勤・通学をしている方も多数いらっしゃいます。
東京都に住む場合、都心で若者に人気の街の家賃相場は渋谷区(7.8万円)、目黒区(7.7万円)、杉並区(6.8万円)(※1)となっているのに対し、県境にあって東京都に近い取手市では月4.5万円(※2)でワンルームや1K、1DKのお部屋を借りることができます。こういったデータからも家賃は抑えることができるので、固定費を少なくすることが可能です。
※1参照:不動産・住宅サイトSUUMO「東京都の賃貸家賃相場・賃料相場を調べる」
※2参照:不動産・住宅サイトSUUMO「東京都の賃貸家賃相場・賃料相場を調べる」
②恵まれた豊かな自然
茨城県は筑波山や全国で2番目に大きな湖、霞ヶ浦といった豊かな自然に囲まれており、人口も都内と比べると少ないので周りの忙しさに流されることなく、自分の時間を自分のペースでゆっくり楽しむことができる環境が整っています。
都内では避けられない渋滞や人混みなど、騒がしい環境にストレスを感じている方は、茨城県という環境に身を移す選択もありなのではないでしょうか。
③物価が安い
茨城県は物価指数が全国で38番目と低く、住居にかかる費用や食料にかかる費用をグッと抑えることも利点の1つです。
日常にかかる費用を少なくすることで、自分や家族に使えるお金を作っていける環境が茨城県にはあります。
④多種多様な特産品の数々
茨城県には前述したように数多くの特産品が多いことでも有名です。
ブランド肉の常陸牛や全国シェアの9割を占めるほしいも、生産量全国1位のメロンなど、良質な食材を日常生活に食することができるのも魅力の1つです。
⑤1年間を通して過ごしやすい
茨城県は1年を通して見ても、夏は暑すぎず冬はほぼ雪が降らない過ごしやすい気候となっています。
雨も少なく快晴日数も多いことから、心地よい生活を送ることができそうです。
夏の炎天下のジメジメした暑さや冬の除雪作業といったことはほぼないので、気候によるストレスはほぼ無いと言えるでしょう。
茨城県へUターン就職の5つの注意点
続いて注意点についてもお伝えしていきます。
以下記載の注意点をしっかりと把握することがUターン就職の失敗を極端に少なくすることができます。
- 年収ダウンのリスクがある
- 自動車がないと不便
- 飲食店の閉店時間や終電が早い
- 娯楽施設が少ない
- 地震が多い
それでは1つずつ見ていきましょう。
①年収ダウンのリスクがある
前述したように都内の平均年収と比較すると、茨城県で働く場合都内の約8割ほどの年収になります。
都内で働いている方で、年収に重きを置いている方は注意をする必要があります。
ですが、茨城県には生活費が安いという利点と、前述した制度を用いて茨城県に移住してテレワークで県外の企業の仕事をするということであれば、固定費は抑えられるかつ年収は維持したままなので、むしろ自分に使えるお金が増える可能性が高いと言えます。
以上の理由から年収ダウンはそこまで問題ない点であると言えるでしょう。
②自動車がないと不便
「茨城県の主な交通手段は?」で触れたように、茨城県に住むのであれば自動車がないと不便になるでしょう。
電車やバスも少ないところでは1時間に1本のペースでしか動いておらず、徒歩や公共交通機関のみで生活するには、かなり無理があります。
茨城県に住んでみたいという方は、栄えている地域の駅近に住むor建てることがマストです。
③飲食店の閉店時間が早い
こちらは都内でよく居酒屋を行く方にとってはネックな点と言えそうです。
こちらは地方全般に言えますが、茨城県も例に漏れず、都内と比較して朝方付近まで営業しているお店は少ないです。
また車社会ということもあり、飲んだ日には代行を頼むといった手続きもあるのが少しネックになります。
④娯楽施設が少ない
こちらも地方全般に言えることですが、茨城県では都心と比べて、流行りのグルメ店や商業施設といった都内よりも娯楽施設が少なく、流行に敏感な若い方にとって遊ぶ場所が限られます。
ただ東京へのアクセス環境がいいので、流行に敏感な方は休日を利用して都内に通うことでこの注意点は解消されるでしょう。
⑤地震が多い
茨城県は2010年6月から2020年6月までの10年間で起こった震度1〜6の地震の件数が6696回と全国で2位になるほど、地震が多く発生しています。
茨城県は海に面している市町村も多いため、津波の怖さもあります。
緊急時の避難経路の確認や、非常食の常備など万全な準備はしっかりとしておくべきでしょう。
茨城県へUターン就職する場合の相談先
茨城県へUターン就職する場合に、良きサポートをしてくれる相談先について紹介します。
いばらき移住・就職相談センター
茨城県内の就職支援や移住相談も行なっている東京都にある唯一の機関です。
就職先の紹介や履歴書の書き方、面接の受け方など細かい部分まで親身に相談に乗ってくれるので、移住や茨城県への就職に少しでも興味のある方は参考にしてください。
いばらき就職・生活総合支援センター(ジョブカフェいばらき)
こちらは茨城県が運営している無料職業紹介所です。県内全6ヶ所に存在しており、誰でも無料で利用できて就職までしっかりとサポートしてくれる機関です。
移住してから仕事を探す時にはぜひ活用してみてください。
茨城県へ移住までのステップ
「実際に都内で働くよりも、茨城県に移住した方が自分にとってメリットがある!」
「Uターン就職でより良い生活を過ごしたい!」
そう考えた方に向けて、実際に移住するためのステップをこれから紹介していきます。
移住するにあたってどれも大事な項目なので、しっかりとチェックしていきましょう。
- 移住の目的を整理する
- 家族・恋人に相談し、合意を得る
- 情報収集と条件のリストアップ
- 現地に行ってみる
- 移住先で住む場所・仕事を探す
それでは1つずつ見ていきましょう。
①移住の目的を整理する
自分の中でまず「なぜ移住するのか」の目的をしっかりと把握・整理しておくことが大切です。
茨城県の環境下でやりたい仕事がある、茨城県の抱える課題を解決できるビジネスに携わりたいなど、茨城県に移住することによって、叶えられる自分自身の人生の目標をしっかりと定めておくことで、嫌なことがあったとしても、逃げずに乗り越えられることができるでしょう。
②家族・恋人に相談し、合意を得る
もしも1人で自由に移住する際は、このステップを踏まずに次のステップに進んでも大丈夫です。
ただパートナーや家族がいる場合は別です。
家族は移住することに賛成なのか、ご自身の移住の目的をしっかりと話し、相手の意見も尊重することが大事です。
これらを前もって話しておかないとトラブルの原因になってしまうので気をつけましょう。
③情報収集と条件のリストアップ
移住する目的に沿った地域を探すために、条件の選定と情報収集はマストです。
「いばらき移住定住ポータルサイトRe:BARAKI」といったポータルサイトの活用や県の公式HP、TwitterなどのSNSを使って自分の欲しい情報をしっかりと調査し、把握しておきましょう。
④現地に行ってみる
条件を選定し、情報収集した上で、「この地域に移住したい!」というステップまで進んだら、実際に現地に行って住むイメージを固めておきましょう。
その際にチェックするポイントとしては、
- 交通の便はどうなのか?
- 近くにスーパーやコンビニなど日用品を帰る場所は?
- そこに住む上での地域行事などは?
上記の点についてしっかりと確認しておくべきです。
その情報だけではまだ判断できない、という方という方でも安心。
茨城県では「お試し住宅」を県内各地域で実施しています。
1泊〜1ヶ月、最長1年間体験できるところもあるので、茨城県に実際に住むイメージをしっかりと固めることができます。
また茨城県ではテレワークを体験できるプログラムも提供しています。
土浦市では「星野リゾートBEB5土浦」といった最新施設で、テレワークの合間にサイクリングや交流を楽しむことができる3泊4日のプログラムを体験できます。
また潮来市でも充実したテレワーク設備と家族で楽しむことができるメニューを3泊4日で体験できるプログラム等、県内各地でワクワクできるプログラムが提供されているので、旅行気分で茨城県を体感するのもありではないでしょうか。
⑤移住先で住む場所・仕事を探す
移住して日々の生活をしていくためには、仕事をしなければなりません。
上記でご紹介した機関での個人相談、自力で探したいのであれば、就職エージェントなどを駆使して仕事探しをしましょう。
仕事探しに奔走したら次はお部屋探し。賃貸であれば、地元の不動産会社に相談したり、購入するのであれば移住先の市町村で移住の支援制度などを確認することをオススメします!
まとめ
茨城県のUターン就職について解説しました。
都内にもアクセスしやすく、リモートで働く方にとっての手厚い支援や日常生活においても物価の安さや過ごしやすい気候といった、魅力に溢れた県であることがご理解いただけたでしょうか。
都内で働くという選択肢だけでなく、視野を広げて地方で働く、地方に移住するという選択肢もあることを、知っていただけたら幸いです。
茨城県へのUターン就職を検討中の方は、一度相談会やセミナーに参加するのもおすすめです。
新型コロナウイルスの影響で、オンライン参加ができるところも増えているので、気軽に情報収集するところから始めてみましょう。