日本最大の面積を誇り、観光地としても大人気の土地、北海道。
数多くの名産品や雪国ならではのイベントなど、魅力の多い土地です。
そんな北海道で生まれ育った方でも、現在は別の土地で働いているという方も多いでしょう。
「でもやっぱり将来は北海道に戻って仕事がしたい!」
観光地として人気になるぐらいの土地ですから、昔住んでた思い出を辿りながらそんな風に考える北海道出身の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、北海道へのUターン就職についてご紹介していきたいと思います。
就職事情や注意点、押さえておきたいポイントなどについて触れていきますので、北海道へのUターン就職をお考えの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは参りましょう!
北海道のUターン就職・地方移住において知っておきたいこと
北海道ってどんな土地?
ご存知の通り日本で最大の面積を誇る都市として有名で、夏は涼しく冬は寒いというイメージがある場所です。「涼しい」というよりはどちらかというと「湿気が少ない」といった感覚で、気温が高くてもまとわりつくような暑さはないような印象。
冬場も大雪が降るので首都圏と比べて寒いのかな、と思いがちですが土地が広く「ビル風」が少ないので人によっては北海道の冬の方が過ごしやすいなんて場合もあります。
大雪を活かしたイベントなども多彩で、特に有名なのは札幌大通り公園で行われる「雪まつり」でしょう。
毎年の流行を押さえた旬な雪像を始め、特設ステージで開催される雪の夜に行われるライブイベントやスノーボードのパフォーマンスなども魅力です。
海外からのお客さんも多いので日本が誇るイベントのひとつ、といっても過言ではないでしょう。
グルメが充実している
季節を活かしたイベントはもちろんですが、北海道で外せないのはやはり「食」です。
カニやイクラなどの海鮮を始め、豊富な種類を生産しているジャガイモを使った料理も見逃せません。
他にも牧場で飼育されている牛の乳からそのまま作られた濃厚な牛乳やソフトクリーム、北海道発祥のスープカレーなど数多くのグルメがあります。
食を楽しむことのみに特化した北海道旅行を計画する方も多いほどです。
イベントや食、広大な土地を景観として楽しめるところなど、数多くの魅力があるのが特徴の土地が北海道です。
どんな職種が多いのか?
北海道へのUターン就職を考える上でまず知りたいことといえばやはり「どんな仕事があるのか?」といったことでしょう。
主に以下のような職種の募集が盛んなようです。
- 営業職
- 販売職
- 事務職
- 工場勤務などの生産色
- コールセンターなどのサポートスタッフ
他にも近年ではエンジニアやプログラマーなどのIT関連の求人も多く見られていますが、やはり北海道の中心街「札幌」に求人が集中しているようです。
募集が多い職種に関しては首都圏とさほど違いはないように感じられますね。
なんとなく「地方には選べる仕事がない」という印象を持っている方も多いかとは思いますが、地方だからといって仕事が少ないわけでは決してありません。
むしろ土地が広大で人口も多いぶん、働き手を求める企業も多いのではないでしょうか。
賃金・給料の目安について
賃金については、職種と同じぐらいに気になるところであり、就職する上でどうしても外せないポイントです。
生まれ育った土地で仕事がしたい!という理想のもと実行されるUターン就職ですが、生活の為に賃金への意識はしっかり高めていかないといけません。
北海道の賃金は首都圏と比べてみるとどうなのでしょうか。結論をいうと、首都圏と比べるとして高くはありません。
例えば東京と比較してみると、東京の20代での平均年収が379万円に対して、北海道は平均295万円です。
30代では東京が平均554万円で、北海道は平均392万円とこちらも低めになります。
40代の場合になると、東京が平均717万円で、北海道は平均467万円と大幅に差が出ています。
ですので東京を出てよりたくさん稼げるようになりたい!といった考えを前提にしてしまうと求人をチェックする段階でギャップにやられてしまうかも…。
とはいえ、決して年収自体が低いわけではなく、北海道の平均年収は、約425万円です。
賃金だけで考えれば下がってしまいますが、北海道は東京と比べると物価や家賃が安くなる傾向があります。
なので給料自体は下がったけど、以前と同じくらいの家賃で前より広い家に住んでいる、という方も少なくありません。
北海道の賃金について調べる際には、現在の生活レベルと住みたい土地の家賃などのデータを集めておくことをおすすめします!
求人の倍率
令和2年(2020年)での北海道の有効求人倍率は約0.96倍です。
1倍を下回っており、全国平均は約1.18倍ですので決して高い倍率ではありません。
新型コロナウイルスによる影響でより倍率が下がっていくと予想されていますので、現在のデータからまた大きく変化があるかもしれません。
北海道へのUターン就職をする「理想の時期」がある場合には特に倍率といった観点もしっかり見ておくと良いでしょう。
参考:
一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)について | 厚生労働省
安定所別月間有効求人倍率(常用)の推移 | 北海道労働局
主な通勤・交通手段
毎日出勤をする上で意識したいポイントといえば「通勤手段」もそのひとつとして挙げられるでしょう。
北海道で挙げられる通勤手段にはどのようなものがあるのでしょうか。
主に以下を参考にしてください。
- 電車(JR、地下鉄、路面電車)
- 路線バス
- 自家用車
ここだけ見ると首都圏とほとんど変わりませんが、北海道での通勤手段を考える上で重要な観点は「どんな不便さがあるのか」ということです。
例えば電車での出勤は定番の手段ですが、土地が広大な北海道では札幌などの首都圏以外ではいわゆる「駅チカ」という感覚があまりありません。
電車で最寄りの駅まで行って、そこからバスを使って職場近くまでいくといった場合が多くなってきてしまいます。
なので、首都圏での駅チカ出勤に慣れてしまっている方は、まずこの手順の多さのギャップが壁になりますね。
電車同様にメインで選択される通勤手段がバスですが、こちらも首都圏とは大きく異なる点があります。
職場によってはとても近くまで行けるので場合によっては電車より便利なのですが、忘れてはいけないのが「北海道は雪国である」ということ。
雪国だとなんで不便なの?と思う方も多いでしょう。なぜかというと、大雪が降ってしまうと道路にも雪が積もります。
安全に考慮してゆっくり走る車が多くなるとそのぶん道路も混み合いますので、自然と渋滞が発生し、時刻表通りにバスがこないことは日常茶飯事です。
時間通りにこないストレスや、長い時間雪が降るバス停で寒さに凍えるなんてこともあります。
これらを踏まえた上で、自家用車で出勤する方が非常に多いのが北海道の特徴です。
時間も自身のペースで配分できますし、待ち時間などのストレスがないのも自家用車ならではのメリットです。
首都圏と比べて道も広く運転しやすいのでおすすめの通勤手段と言えるでしょう。
注意点として、夜間での運転の際には路面が凍る「ブラックアイスバーン」が厄介です。
道路にたまった水分が夜間の低い気温によって凍結し、さらに道路の色と一体化して凍っているように見えない特徴があるのがブラックアイスバーン。
以上のことから、北海道での通勤手段にはどれも便利さと不便さが比例していることが分かります。
Uターン就職する前に北海道ならではの職種をチェック!
首都圏とそこまで大きな差のない北海道での求人の職種ですが、ここでは「北海道ならではの職種」について触れていきたいと思います。
では、どのようなものが挙げられるのでしょうか?
北海道といえば日本でも牧場が多いことが特徴で、人間よりも牛の数の方が多いとまで言われているほど。
そんな土地ですから、牧場での求人など、いわゆる酪農関係の求人が多くあります。
牧場勤務は朝が非常に早く、住み込みで募集しているところも多いのが特徴です。
他にも、雪国ならではのイベントである雪まつりの運営スタッフや雪像を作る作業員などの求人もあります。
北海道で生活する方を支える「除雪」の作業員なども、雪国ならではのお仕事。
東京などの首都圏と比べて「自然と触れ合う仕事」が非常に多いのが北海道ならではの職種の特徴ではないでしょうか。
また最近では、在宅でフリーランスとして働いている方も非常に多いので、拠点を北海道に変えるだけで就職自体は必要ない、なんてこともあるかもしれません。
北海道のUターン就職に関する助成金や補助金について
原則では返済不要な「助成金」や「補助金」などの制度が注目されていますが、北海道でも当然受け取ることが可能です。
どちらともを総括して「支援金」と呼ばれる場合も多いのが特徴です。
もちろん申請やある程度の条件が必要にはなってきますが、お金に関わることですので、しっかり抑えておきたい観点ですよね。
東京から北海道へ移住した場合に移住支援金対象の法人に就業すると、国や北海道、市町村から世帯を持っている場合は100万円・単身の場合は60万円の移住支援金が支給されます。
これにより、北海道への移住や就職のハードルは低くなります。
また、北海道で起業したい、支店を増やしたいなどを考えている方にも支援制度が充実しているので、チェックして見てください。
最近では新型コロナウイルスに関連したものも注目されていますので、情勢との兼ね合いも含めてチェックしておきましょう。
北海道Uターン就職における助成金・補助金を申請する流れ
北海道へUターン就職をした際、ある程度の条件をクリアし、申請をすることで移住者向けの支援金という形で受け取ることが可能です。
申請の流れについてはこちらを参照ください。
申請の条件
支援金を受給する流れがわかったところで、続いては必要な条件についてです。
支給に必要な条件がこちらです。
- 住民票を北海道へ移す前の10年のうち5年間、東京に在住または通勤をしていた
- 住民票を北海道へ移す直前の1年間、東京に在住または通勤をしていた
- 移住先へ住民票を移している
- 支援金の申請時に対象の地域での在住が3ヶ月以上で1年以内である
- 支援金の申請日より向こう5年間、対象の地域での5年以上の在住意思がある
条件を満たしていなければ当然受給することはできませんので注意しましょう。
北海道へのUターン就職をする5つのメリット!
ここでは、北海道への就職の際に知っておきたいメリットや注意点についてを、これまでの項目でも触れてきた点も含めてまとめてみましょう。
北海道へ就職する場合には主に以下のようなメリットがあります。
①家賃が安いのに対して広めの賃貸が多い
②牧場関係や除雪など珍しい求人がある
③温かみのある生活ができる
④通勤や帰宅の道中での楽しみが多い
⑤寒さ対策がしっかりしている
総括すると、北海道でのUターン就職のメリットは、都会にはないゆったりした雰囲気や自然との触れ合い、意外な生活のしやすさといった観点がメインになっていますね。
では、それぞれについて詳しく解説していきましょう。
家賃が安いのに対して広めの賃貸が多い
これは、物価の安さがまず関係してきます。
先ほど触れた年収の項目からもわかるように、収入自体が首都圏と比べて低い場合が多い土地なので、自然と物価も安くなります。
安くなった物価に対して、北海道は土地が広大な為広い作りの家が多いのです。
その為同じだけの家賃を払っても、北海道での方が広々と生活ができることもあります。
牧場関係や除雪など珍しい求人がある
首都圏で生活していると、求人の傾向もどこかパターン化しているような気がしませんか?
牧場や雪の多い北海道であれば、牧場勤務に除雪作業員など、首都圏で生活していたら決して出会うことがない求人に巡り合えるかもしれません。
今までの経験を全部一度リセットし、全く新しい生活を作っていきたいという方は北海道ならではの職種での就業を視野に入れてみましょう。
温かみのある生活ができる
いわゆる「地方」の雰囲気からなのか、近所付き合いが多く、暖かい雰囲気の土地が多いのも北海道の特徴。
隣に住んでいるから、というだけで優しくしてくれたり、お子様がいる家庭だからと食材やお年玉などの面倒を見てくれる人もいます。
都会でのギスギスした雰囲気に疲れた…という方には魅力のある観点でしょう。
通勤や帰宅の道中での楽しみが多い
北海道は、首都圏と比べると景色や雰囲気などに大きな特徴があります。
例えば電車や車の窓を見るとすぐ近くに牧場があって牛や馬が生活しているところが見れたりします。
他にも綺麗な空気や開放的に広がった素晴らしい景色など、仕事の疲れや憂鬱さなどを吹っ飛ばしてくれるほどのものがたくさんあります。
また、とにかく美味しいものがたくさんあるので、帰宅途中の車内で食べるお気に入りのグルメを探してみる楽しさもあります。
寒さ対策がしっかりしている
北海道といえば寒い、という印象を持った方がほとんどでしょう。
確かに気温はマイナスを記録することも多く、暑さよりも寒さが厳しい土地です。
ですが、そういった土地柄なのか、家の作りがとても工夫されています。
北海道では窓が二重になっている家が多いので、外の冷気が家の中に入りにくく出来ています。
暖房が標準設置のところも多いです。また、実は首都圏の冬とでは大きな違いがあるのです。
首都圏で生活をしていると分かりますが、冬といえばあの肌を刺すような冷たい風…。実は北海道の冬は強風がほとんど吹かないのです。
高い建物もほとんどないので、いわゆる「ビル風」が少ないのも北海道の冬ならでは。
北海道の方が暖かく感じる、という方もいるぐらいなので、寒さを理由に北海道へのUターン就職を考え直す必要はありません。
北海道へのUターン就職における注意点
メリットが多い北海道への就職ですが、それに比例して注意点も多くありますのでこちらもしっかり押さえておきましょう。
主に以下の点が注意点として挙げられます。
- 雪が多いためバスの時刻など通勤に影響が出る
- 自家用車での通勤は首都圏とは違った観点の事故への意識が必要
- 収入自体は下がってしまう
- 首都圏と比べて職種のギャップが多い
- 札幌などの都心部に求人が集中しがち
- そもそも首都圏と比べて求人自体が少ない
これらの点をしっかり前提として押さえておいた上で北海道への就職の準備をしていきましょう!
後悔しないために事前に知っておくべき!北海道へUターン就職の3つのポイント
①就職時期を考えよう!
就職そのものの時期としてはやはり企業の上半期と下半期が切り替わるタイミングであったり、新卒の社員が入社する時期に合わせることで育成のカリキュラムが組みやすいのでおすすめです。
では、北海道への就職という観点から考えてみるとどうでしょうか。
上記の時期に合わせて考えたいのは、やはり季節でしょう。
冬場に就職をすると、勤務開始早々に雪国の洗礼を受けることになります。
そうならないよう、なるべく雪がない季節を選んで就職することで北海道で生活をしながら積雪への備えや心構えをする時間が取れますので、オススメです。
また、できることならお盆時期や雪まつりのシーズンは避けた方が良いでしょう。
日本でも人気の高い観光地ですから、その時期は接客業などは忙しくなってしまいますし、イベント会社などもバタバタしていて求人に意識を集中しづらいでしょう。
何より、観光シーズンに首都圏から北海道へ引越し、となると飛行機代が繁忙期の代金になってしまいます。
飛行機で北海道へ移動する場合におすすめの時期は、お盆が終わった9月ごろと、雪まつりが終わった3月ごろが良いでしょう。
これらの点を踏まえた上で、自身の環境と照らし合わせながら就職のスケジュールを組んでいきましょう!
②拠点にしたい町を選ぼう!
いわゆる「生活圏内」となる街も就職には重要になってきます。
拠点を考える際の条件としては主に通勤のしやすさや、勤務後の買い物など、生活に必要な環境が揃っているかどうかなどが挙げられるでしょう。
そうなるとやはり中心街となる札幌や、札幌へのアクセスが便利な方が良いかもしれません。
牧場勤務など、職種によっては中心街からどうしても離れなくてはいけませんよね。
でしたらそこまでの道のりが比較的楽な土地であったり、自家用車で通う場合のガソリンの消費や通勤時間を重点に置くのが良いでしょう。
首都圏と北海道とで大きく異なるのは「職種によって出勤の手段が大きく変わってくる」ということです。
そこを前提としてしっかり理解しておいた上で拠点選びを行っていきましょう!
③事前準備は前もってやっておこう!
北海道での就職に限ったものではないかもしれませんが、事前の準備も欠かせません。
例えば、
- 面接の練習
- 就職後のキャリアの構想
- 理想の求人に必要な資格や知識を用意しておく
- 就職イベントや人事の方との繋がりを持つ
などといったことをやっておくと後々必ず効果があるでしょう。
特に、地方への就職の場合にはその土地でないと出来ないこと、やりたいことをしっかり自分の言葉で伝えられるようになっておくことをおすすめします。
企業側に絶対思わせてはいけないのは、
「北海道でなくても良いのでは?」
「首都圏から何のために来たの?」
ということです。
前向きな気持ちでの就職のために、しっかりと事前準備を行っていきましょう!
【北海道へのUターン就職・地方移住】まとめ
今回は、北海道へのUターン就職についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
地方ならではの特徴や注意点、そして何より魅力というものを理解した上で就職活動をすることを強く推奨します。
北海道へのUターン就職を視野に入れている方はもちろん、就職先の候補のひとつに北海道を挙げているかたもぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね!