コロナによって働き方やオフィス移転を考える企業は多くなってきています。
その中で以前から企業誘致に力をいれていた広島県が2020年10月からさらなる企業誘致の施策として移転に伴う初期費用を最大2億円支援するキャンペーンを始めました!
この記事では、キャンペーンの概要と広島県に移転するメリットを解説します。
広島県に移転する際に知っておきたいこと!
広島県の平均賃金
2019年の厚生労働省賃金構造基本統計調査によると
- 年収:486万9200円
- 平均月収:32万9732円
広島の平均年収は都道府県別ランキング10位となっており、全国平均が408万円、中国・四国地方の平均も381万円と双方を上回る結果となっています。
実際に広島県に移転した企業とは?
2019年に他県から広島県に移転(転入)した企業は21社あります。その内、山口県からの転入が最も多く、次いで東京都が来ています。
『卸売業』『不動産業』が各5社、『建設業』が4社、『サービ ス業』が3社、『製造業』『小売業』が各2社と『卸売業』『不動産業』が最も多い傾向にあります。その企業の年商規模は、『1億円~10億円未満』が10社で最も多く、『1億円未満』が8社、『10億円~100億円未満』が3社でした。
広島県への転入数は、2019年に急激に伸びており、その原因の一つがキャンペーンや充実した移住サポート施策であると考えられます。
広島県への移転に関するサポートの内容を解説!
実際に広島県へ企業の移転をする際にどんなサポートがあるのかを解説していきます。
初期にかかる移転費用をサポート!
オフィスの改装・内装工事費用だけではなく、オフィス機器や家具の購入、オフィス賃料、新規採用のための人材紹介手数料などを50%サポートされます。
また、オフィス移転に伴って広島県内に移住することになる従業員、その家族に1人あたり200万円を企業は受け取ることができます。
代表者の移住は、さらに手厚く最大1000万円を受け取ることができ、住居賃料も50%サポートされます。また、代表者の家族にも1人あたり200万円が出ます。
オフィス賃料が最大5年間実質無料!
広島県には、オフィス賃料をサポートする市町が多くあります。
最大5年間オフィス賃料をサポートする場合もあるので、下記の広島県・県内市町のオフィス支援制度をみて確認しましょう。
広島市だけではなく、その他市町の助成金も充実しており、オフィス賃料だけではなく雇用奨励金や通信回線使用料などの助成金もある市町もあります。各々条件があるので、必ず読みましょう。
追加で「広島県の制度」も確認しておきましょう!助成率が充実しており、非常に移転しやすくなっています。
短期プロジェクトの滞在費を最大3ヶ月間サポート!
広島県外の企業が広島県にプロジェクト単位で滞在する場合、シェアオフィスやコワーキングスペースなどの利用料を最大3ヶ月間サポートを受けることができます。
「ひろしまサンドボックス」参加企業なら、交通費と宿泊費も実質無料になります。
広島県に移転したくなる!広島県が始めた支援内容とは?
広島県が2020年10月から始めた「広島へ来てくださる企業に、最大で2億円のサポート!!」キャンペーンについて解説していきます。この企業誘致キャンペーンは、本社機能または一部を広島県に移した企業に対する最大2億円の補助するというものです。
それでは、どのようなキャンペーンかモデルケースを通して見てみましょう!
広島における2つのはたらくスタイルをサポート!
①ずっと広島県
広島県に本社または一部のオフィスを移転して名前の通り長い期間を広島県ではたらくことです。
必須で相談内容・企業名・本社所在地・担当者名・メールアドレスを記入する必要があるので、事前に確認しておきましょう!
ずっと広島県で本社オフィスを移転したモデルケースとして、以下の例があります。
【移転した時の企業の状況】
◯東京都港区のIT系中小企業(従業員10人)
◯本社機能の一部を広島市内に移転
◯社長と家族(配偶者1人と子供2人)が移住
◯従業員2人と家族(配偶者1人と子供1人)が移住
助成金 | 合計 | |
社長の移住費 | 500万円 | 500万円 |
社長家族の移住費 | 200万円(1人につき) | 600万円 |
従業員の移住費 | 200万円(1人につき) | 400万円 |
従業員家族の移住費 | 200万円(1人につき) | 400万円 |
オフィス賃料 | 最大20万円(1ヶ月につき) | 320万円(16ヶ月) |
オフィス内装工事費 | 150万円(300万円の50%) | 150万円 |
機器・家具購入費 | 100万円(200万円の50%) | 100万円 |
合計助成金 | 2,470万円 |
上記の表を見ていただくと移転する際に多額の助成金が出ることが分かります。
社長や従業員の移住費だけではなく、その家族やオフィスにかかる費用の支援もあり、とてもありがたい施策です。
以下の通り、企業の規模や状況によって助成金や期間が変わる場合もあります。
- 従業員100人以下の企業の場合:500万円の助成金
- 従業員101人以上の企業の場合:1000万円の助成金
- 市町制度と併用した場合:助成期間が長くなる場合がある
②ちょっと広島県
広島県企業誘致制度(短期プロジェクト参加型)で短い間において広島県を拠点にプロジェクトを進めることです。
こちらも必須で相談内容・企業名・本社所在地・担当者名・メールアドレスを記入する必要があるので、事前に確認しておきましょう!
ちょっと広島県で本社オフィスを移転したモデルケースとして、以下の例があります。
【プロジェクトの状況】
◯大手家電メーカー開発部
◯月5日間・3ヶ月間の短期プロジェクト
◯「ひろしまサンドボックス」のプロジェクトに参加している
◯プロジェクト期間中は自宅のある横浜市から尾道市へ通う
◯尾道市内のホテルに月5日間(4泊5日)滞在
◯尾道市内のコワーキングスペースで地元企業や学生と 一緒に共同作業をする
基本料金+利用期間 | 合計 | |
スペース使用料金(コワーキングスペース) | 1.5万円(ミーティングルーム)×月5回×3ヶ月 | 7.5万(1ヶ月)+3ヶ月=22.5万円 |
ホテル宿泊費 | 1.3万円(1泊)×4泊×3ヶ月 | 14万円(全宿泊費90%助成) |
交通費 | 3.6万円×3ヶ月(横浜〜尾道間往復) | 9.7万円(全交通費90%助成) |
合計助成金 | 48.9万円 |
スペース使用料金を全額、ホテル宿泊費と交通費の9割が助成金としてサポートを受けられるのは、新しく広島県でプロジェクトを始めるハードルがさらに低くなりました。
広島県にオフィスを移転・広島県でのプロジェクトを開始するには絶好の機会です。この機会を利用するために相談してみるといいでしょう。また「実際うちは助成金をいくら貰えるの?」と考えている方もいると思います。そんな方はこちらのホームページ内にあるサポートシュミレーターを使ってみて確認してみてください。
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広島県に移転する5つのメリット!
広島県に企業移転する際にどんなメリットがあるのか気になると思います。
移転した際のメリットが多くあれば企業移転する理由にもなるでしょう。
そこで下記にある広島県へ企業移転する5つのメリットについて紹介します!これらのメリットを踏まえ企業移転を考えてみましょう!
- 助成制度が充実している!
- ひろしまイノベーション・ファンドからの投資を受けることができる
- 広島県の立地が良い
- 優秀な若者が集まっている
- 住み心地がよい
助成制度が充実している!
①設備投資
設備投資にかかる固定資産税評価額の5~15%、最大35億円までの助成制度があります。また、県営産業団地を購入した場合に土地取得費を最大60%、限度額50億円まで助成されます。
②本社機能の移転
上記で挙げたものと同じく本社機能を広島県内に移転した場合また移転先の事業所等の従業員が3人以上増加する場合に県外から異動となる常用雇用者及びその家族1人当たり100万円、オフィス改修費やテレビ会議システムなどの初期コストの費用を50%(上限1億円)サポートを受けることが可能です。
③県契約制度
分譲代金の分割払いが可能で買取条件付事業用定期触知制度などもあります。
④ 融資制度
2億円を上限とした建物・設備・運転資金の低金利貸付制度があるので、資金に困った際は融資制度を使うのも一つの方法です。
⑤税制の優遇措置
特定事業用資産の買換特例、特定地域での工業用機械等の新増設する場合の減価償却の特例等、法人税・所得税・事業税等に様々な優遇制度があります。
ひろしまイノベーションファンドからの投資を受けることができる
広島県の100%出資により民間の経営支援の専門家が集まって設立されたひろしまイノベーション推進機構を中心とした「ひろしまノベーション・ファンド」では1社当たり数億~十数億の投資制度を設けています。また、民間の企業支援の専門家や経営のプロフェッショナル等のサポートを受けることができ、新規事業・海外進出・事業承継やM&A・株式、経営面等の課題解決に繋がります。
ひろしまイノベーションファンドは、広島を中心とする経済圏において事業活動を行っている企業、今後行う企業、当該経済圏の企業と提携するなど地域経済の発展への寄与が期待できる企業など様々な企業が対象となっています。なので、ひろしまイノベーションファンドからの資金調達を考えてみても良いかもしれません。
広島県の立地が良い
広島県には5つの新幹線駅があり、新幹線で新大阪へ80分・福岡へ60分と立地が良いです。また、国内の山陰地方や四国だけではなく、ソウル・香港・上海などのアジアの8都市へ国際定期路線が就航しているので、アクセスしやすいです。陸海空の交通の要所、広島県に拠点を置けば、西日本でのネットワークが広がりやすくなります。
立地に加え、温暖で地震や津波のリスクの少なく、自然災害などのリスク分散の観点からも選ばれています。
- 地震:今後30年で震度6弱以上の地震が起こる確率は低く、大規模地震のリスクが少ない(過去10年で震度5強以上の地震は0回)
- 津波:瀬戸内海に面しており、津波リスクも低い
- 活火山:広島県は活火山が0
- 台風・落雷:ほかの地域に比べて台風接近数も少なく雷発生率も低い(過去10年の平均台風接近数は、2.3回/年・雷発生日数は16.6日)
- 気候:年平均気温は16.3度。1年を通じて温暖で過ごしやすい
優秀な若者や人材が集まっている
2019年度全国学力テスト正答率ランキングでトップ10に入る広島県では、多くの優秀な若者が多いです。
人事が選ぶ大学ランキング上位の広島大学や毎年東京大学や京都大学の合格者が10人以上いる広島学院高校、公立ボーディングスクールの先駆けとなった叡智学園など優秀な人材が育成される環境が整っています。また、移住したい都道府県全国2位に選ばれており、採用面だけではなく移住して子供を育てるのにも適している県といえます。
住み心地が良い
上記にある通り気候が住みやすいだけではなく、地方都市で東京のように大都会過ぎず田舎過ぎず丁度良くショッピングやアウトドアが充実しています。また、広島には2つの世界遺産があり、他にも有名な観光地が多くあります。特に有名なのが世界遺産の日本三景の一つである宮島の中にある「厳島神社」や昭和20(1945)年8月6日に広島に落とされた原爆の遺産である「原爆ドーム」があり、広島を観光するのも楽しいです。
施設や観光だけではなく、食べ物も美味しいものが揃っており、広島県民のソウルフードでもある「お好み焼き」や「あなご飯」、「ラーメン」など考えるだけでもお腹が空いてくるようなグルメが多くあります。
それに加えて、広島県は子育て支援も充実しており、「イクちゃんネット」や「いきいきパパの育休奨励金」を県主導で実施。「イクちゃんネット」では、育児情報の発信や、ショップで受けられます。「いきいきパパの育休奨励金」制度では、1週間(5日以上を含む)以上連続した休日を取得した方は最大30万円の補助が受けられます。こうした背景から広島県の男性育休取得率は全国トップレベルとなっています。
まとめ
今回は広島県へ企業移転を考えている方に向け、広島県が実施している移転支援について紹介しました。
企業誘致に力を入れていて県外からの企業転入が多くなってきている広島県はこれからより盛り上がっていきそうです。
支援制度だけではなく、子育てや気候を考えてみても過ごしやすい環境なので、企業移転を考えてみるのも良いかもしれません。
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