青森県へのUターン就職とは?メリットや助成金について解説!

青森県へのUターン就職とは?メリットや助成金について解説!

本州の最北端になる青森県。

周囲には太平洋と日本海が広がり、県内は豊かな自然に恵まれています。「ねぷた祭り」や「八戸三社大祭」など歴史あるイベントも数多くあるのも、青森県の魅力です。

そんな青森県で育ち、進学や就職で県外に歩みを進めた方の中には、

「青森に戻って自然に囲まれながら生活したい」

「環境を変えて、地元で仕事と生活をどちらも充実させたい」

といった方もいらっしゃるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、青森県へのUターン就職です!

今回は、青森県の特徴をおさらいし、青森県の就職事情やUターン就職のメリット・注意点、活用できる助成金制度などを詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてみましょう。

青森県の特徴をおさらい!

これから青森県へUターン就職を考えている方に向けて、青森県の面積・人口や産業、交通など特徴をt紹介します。進学や就職をきっかけに県外に出た方がほとんどと思いますので、まずは青森県の特徴を再確認していきましょう!

青森県の面積・人口

青森県は、本州の最北端にある県です。北は北海道があり、岩手県と秋田県に隣接し、東には太平洋、西には日本海が広がる場所に位置しています。

面積は、令和1年10月1日時点で9,645.64km²となっており、全国では第8位の大きさです。

青森県の人口は、2020年4月時点で1,265,847人。全国では31位に位置しており、東北6県では、宮城県、福島県に次ぐ人口の多さです。

市町村別に人口を見てみると、青森市が最も人口が多く、次いで八戸市、弘前市がランクインし、3つの市が青森県で人口の多い市町村トップ3となっています。

青森県の産業

青森県では、豊かな自然を生かして、農林水産業が盛んに行われています。

農業では、農業産出額で15年連続東北第1位、全国第7位を獲得しており、全国でも有数の生産量を誇っているのが特徴です。

青森県といえば思い浮かべる方も多いリンゴをはじめとして、なども多く生産されています。

東西を海に囲まれた青森県では漁業も盛んです。
まぐろやカツオの遠洋漁業、ホタテガイの養殖業、スルメイカのイカ釣り漁業など、毎年多くの海産物が水揚げされています。

他にも、森林資源を生かした林業も盛んに行われ、最新技術を取り入れ労働コストの削減を図るといった取り組みも行われています

青森県の自然

青森県には、世界自然遺産に指定されている白神山地十和田八幡平国立公園三陸復興国立公園などの多くの自然公園があります。

緑だけでなく、奥入瀬渓流など水の景色を楽しめるスポットも多いです。

豊かな自然は、季節によって表情を変えていきます。
春には弘前城の桜が咲き誇り、秋には紅葉が色づき、冬には雪が降りしきる、そんな景色の移り変わりを肌で感じながら、四季を過ごすことができます。

青森県の交通

青森県の主な交通には、路線バス・高速バス・鉄道・青森空港などがあります

路線バスは弘前津軽エリアや五所川原エリアなど各エリアを走り、高速バスは東京・横浜・仙台・森岡をつないでおり、県内外のアクセスを支えている交通手段です。

鉄道は、JR東日本鉄道や津軽鉄道、弘南鉄道、青い森鉄道が走っています。
その他にも、津軽海峡フェリーや東北自動車道など、海路や陸路にも交通網が巡らされているのが特徴です。

Uターンする前チェックしておきたい青森県の就職事情!

Uターン就職を検討する上で、「希望の職種に就職できるの?」「希望する収入を得られるの?」「そもそも就職できるの?」など、仕事に関する不安が多いはず。

そこで、青森県の就職事情をまとめましたので、Uターン就職の検討に役立てましょう。

青森県にはどんな職種が多い?

厚生労働省 青森労働局の「職業安定業務取扱月報」では、産業別に新規求人数を公開しています。令和2年9月時点の産業別新規求人数が多い順に、以下のような結果が出ています。

  • 1位:医療・福祉:2,307件
  • 2位:社会保険・社会福祉・介護事業:1,608件
  • 3位:建設業:1,407件
  • 4位:卸売業・小売業:1,190件
  • 5位:サービス業:1,123件

参照:厚生労働省 青森労働局「職業安定業務取扱月報」

医療・福祉の新規求人件数が最も多く、次いで社会保険・社会福祉・介護事業が第2位に位置しています

建設業、卸売業・小売業、サービス業と続き、製造業や宿泊業・飲食サービス業も500件以上の新規求人が出されています。

一方、青森県の主要産業である農林水産業は、新規求人件数243件となっており、他の産業に比べてあまり求人が多くないのが特徴的です。

青森県の平均年収・最低賃金は高い?それとも低い?

青森県の平均年収や最低賃金は、全国の中でどのくらいの水準になっているのでしょうか?

第1位は東京都620万円、神奈川県560万円、愛知県544万円がトップ3を占めている中、青森県は47都道府県中最下位となっており、平均年収は371万円です。

参照:年収ガイド「都道府県別年収ランキング」

最低賃金においては、令和2年10月3日時点で青森県の最低賃金は793円となっています。

東京都が最も高い1,013円、沖縄県・大分県・佐賀県・島根県・鳥取県・秋田県が最も低い792円となっているので、ほぼ全国の最低水準と言えるでしょう。

平均年収と最低賃金ともに、全国では低くなっているのが現状です。

参照:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」

青森県の求人数や有効求人倍率はどのくらい?

そもそもUターン就職を叶えるための求人があるのかも知っておきたいポイントです。

厚生労働省 青森労働局「最近の雇用情勢について」では、令和2年9月時点の求人数や有効求人倍率を公開しています。
令和2年9月時点で、全国の有効求人倍率が1.03であるのに対して、青森県の有効求人倍率は0.89となっており、有効求人倍率に差があるのです。

有効求人数は令和2年9月時点で約20,000件ありますが、青森県の有効求職者は約25,000件となっていますので、求職者に対して求人数が下回っている状態となっています

令和2年9月時点のデータでは、有効求人倍率は全国よりも低くなっていますが、全国の数値が特別高いわけではありません。
減少傾向は全国と青森で共通していますので、他の都道府県でもこれまでよりも有効求人倍率は減少傾向にあります。

参照:厚生労働省 青森労働局「最近の雇用情勢について」

Uターン就職に対する支援サポートが充実

青森県では、Uターン就職に対する支援サポートが充実しています。

「あおもりUIJターン就職支援センター」が青森県東京事務所内に解説されており、県外在住のUIJターン希望者を対象に県内就職について相談することが可能です。センターでの対面相談だけでなく、電話やメールでも相談できます。

また、県内就職情報サイト「Aomori Job」を開設し、求人情報や企業情報、インターンシップ情報などを配信しています。青森県就活公式アプリ「シューカツアオモリ」もリリースしており、気軽に就活情報や企業情報を知ることができるのも嬉しいポイントです。

青森県へのUターン就職のメリットとは?

県外から青森県にUターン就職して、どのようなメリットを得られるのかも気になるポイントです。

青森県へのUターン就職には、主に4つのメリットがあります。

  • 生活費を抑えられる
  • 通勤ラッシュから解放される
  • 豊かな自然を感じながら過ごすことができる
  • ねぶた祭り・八戸三社大祭などイベントが充実している

生活費を抑えられる

県外から青森県にUターン就職にともなって、移住をすると生活費を抑えられる可能性が高いです。生活費の大部分を占める家賃で東京都と青森県を比較してみると、大きな差があります。

SUUMO」の家賃相場・賃料相場情報を参考にすると、東京都の人気エリア第1位世田谷区8.7万円、第2位港区12.9万円、第3位新宿区9.3万円となっています。

一方、青森県の家賃相場は青森市4.9万円、三沢市4.4万円、五所川原市3.8万円という結果が出ており、人気のエリアでも東京都の半分ほどの家賃で生活することができるのです。

平均年収は全国で最下位に位置していますが、家賃が安くなることによって、趣味や生活などにお金を使えるようになり、より充実した生活を送れるでしょう!

通勤ラッシュから解放される

都市圏の通勤ラッシュは、電車やバスにすし詰め状態になることが日常茶飯事。通勤の数十分だけとは言っても、毎日の通勤ラッシュにストレスを感じる方が多いはずです。

通勤時間は人の動きが多いので、青森県でも全くラッシュがないというわけではありませんが、都市圏よりも人の集中は少なく、都会での通勤ラッシュのストレスからは解放されます。

また、青森県での通勤手段は、自動車や路線バスが多いのが特徴です。青森市が発表した「地域の実情について」という資料では、青柳線沿線の事業所151社に従業員の通勤手段をリサーチしています。

その結果、自動車47%路線バス23%、自転車10%、鉄道8%、徒歩8%となっており、半数が自動車通勤です

自動車を所有していれば、自分のペースで時間や気持ちに余裕を持って通勤できるでしょう。

豊かな自然を感じながら過ごすことができる

都市圏に比べると、青森県は自然豊かな県であり、自然を感じながら生活することができます。都市にそびえたつビルや立ち並ぶ店、行きかう人々などにストレスを感じている方にとっては、のびのびと過ごせる環境でしょう。

日々の生活が健やかになることはもちろん、休日の過ごし方も変わるはず。

自然公園をのんびり散歩したり、アウトドアに出かけたりするなど、緑や水、おいしい空気に触れながら気持ちよくリフレッシュできるでしょう!

ねぶた祭り・八戸三社大祭などイベントが充実している

青森といえば「ねぶた祭り」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
迫力ある「ねぶた」が闊歩する様子は息を飲む景色であり、青森県ならではの魅力です。

ねぶた祭り以外にも、五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)や八戸三社大祭(はちのへさんしゃたいさい)、十和田市秋まつりなど、たくさんの祭り・イベントがあります。

お祭り・イベント気分に存分に味わいながら、青森県ならではの文化に触れられる貴重な機会になるでしょう。

青森県へのUターン就職の注意点

青森県へのUターン就職にはメリットが多くありますが、おさえておきたい注意点もあります。ポジティブな要素に注目しがちですが、少々気になる部分もおさえておくと、満足度の高いUターン就職を叶えられるはず!

以下でご紹介する4つの注意点をおさえて、青森県へのUターン就職を検討してみましょう。

  • 都心よりも求人数が少ない
  • 求人職種の幅が狭くなる
  • 年収が下がる可能性がある
  • 就職する地域によっては車が必要

都心よりも求人数が少ない

青森県の就職事情と紹介しましたように、全国に比べると有効求人倍率が低く、求職者数が求人数を上回っているのが現状です。

職種や条件にあてはまる求人数は変わりますが、すぐに希望する職業が見つかるとは限らないでしょう。「青森県UIJターン就職支援センター」や「Aomori job」を活用したり、転職エージェントを利用したりするなど、積極的に就職活動に力を入れることが大切です。

求人職種の幅が狭くなる

求人の種類については、医療・福祉や介護分野の新規求人の多くを占めています。他にも、建設業や卸売業・小売業などの求人もありますが、多くの職種の新規求人は数百件程度でした。

そのため、希望の職種で自分の条件に合った企業を見つけるのは簡単ではないでしょう。希望求人を探すことと合わせて、現在の職業でのつながりを生かしたり、リモートワークで県外から仕事を獲得したりするなども検討する必要があります。

年収が下がる可能性がある

平均年収・最低賃金についても、全国に比べると低い水準になっています。そのため、県外からUターン就職をした場合に、年収が下がる可能性が高いです。

ただ、メリットで紹介したように、都心よりも家賃は安くなっていますので、収入と生活費のバランスは大きく崩れないでしょう。収入を求めたい方は、継続して勤めたり、県外の仕事を獲得したりすることによって、収入アップを目指す方法を検討することが大切です。

就職する地域によっては車が必要

青森県での主な通勤手段となっていますので、就職する地域によっては自動車が必要になります。路線バスや鉄道を使う方法もありますが、通勤以外にも休日のショッピングやレジャー、アウトドアなどにも自動車がある方が便利です。

都心では交通網が発達していますので、自動車を持っていない、自動車免許を取得していないという方も多いはず。青森県へのUターン就職を検討する際は、自動車免許の取得や自動車の購入までしっかり考えておきましょう。

青森県へのUターン就職で利用できる助成金・補助金

青森県では、UターンやIターン、移住などを支援する助成金・補助金制度が用意されています。上手く活用することによって、青森県での新たなスタートをスムーズに切ることができるでしょう!2つの助成金・補助金制度をご紹介します。

あおもり移住支援事業

あおもり移住支援事業は、青森県内に移住し就職・起業する方を対象にした助成金です。対象者には、単身で60万円、世帯で100万円が支給されます。

支給条件や対象の市町村などをまとめましたので、以下の表を確認してみてください。

支給額・単身:60万円・世帯:100万円
支給対象者の要件・住民票を移す直前の10年間に、通算5年以上、東京23区内に在住又は東京圏のうちの条件不利地域(※)以外の地域に在住し、東京23区内への通勤をしていたこと
・住民票を移す直前に、連続して1年以上、東京23区内に在住又は東京圏のうちの条件不利地域以外の地域に在住し、東京23区内への通勤をしていたこと
・住民票を移す直前に、連続して5年以上、東京23区に在住していたこと
・住民票を移す直前に、連続して5年以上、東京圏のうちの条件不利地域以外の地域に在住し、かつ、住民票を移す3か月前の時点において、連続して5年以上、東京23区への通勤をしていたこと

※条件不利地域:・東京都:檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ケ島村、小笠原村
・埼玉県:秩父市、飯能市、本庄市、ときがわ町、横瀬町、皆野町、小鹿野町、東秩父村、神川町・千葉県:館山市、勝浦市、鴨川市、富津市、いすみ市、南房総市、東庄町、長南町、大多喜町、御宿町、鋸南町
・神奈川県:山北町、真鶴町、清川村

・青森県に移住したこと
・青森県がマッチングサイトに移住支援金の対象として掲載する求人に就業した方又は起業支援金の交付決定を受けた方
対象の市町村・市:弘前市、八戸市、黒石市、五所川原市、十和田市、三沢市、むつ市、つがる市、平川市
・町:平内町、今別町、外ヶ浜町、鰺ヶ沢町、深浦町、藤崎町、大鰐町、板柳町、鶴田町、中泊町、野辺地町、七戸町、六戸町、横浜町、東北町、おいらせ町三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町
・村:西目屋村、田舎館村、六ヶ所村、東通村、風間浦村、佐井村、新郷村
引用:青森県庁ウェブサイト「あおもり移住支援事業」

青森県UIJターン還流促進交通費助成

青森県UIJターン還流促進交通費助成は、青森県内での就職活動などを行う際に、交通費の助成を受けられる制度です。

交通費と宿泊費の助成を受けられるので、Uターン就職の就職先を探す際に役立つ制度となっています。

助成金額や対象経費など、制度について詳しく確認しておきましょう!

支給額・交通費:開催場所までの交通費の2分の1(上限17,000円)・宿泊費:宿泊費の2分の1(上限5,000円)
助成対象者・県外に住んでいる大学生等または転職希望者・あおもりUIJターン就職支援センターに登録している、または、登録することに同意する者・県内での就職活動のため、県外の住所地と県内の目的地の間を移動する者
助成対象経費・県内企業が県内で開催する就職に係る企業説明会に参加する場合・県内企業が県内で実施する採用試験又は面接を受ける場合・県内企業が県内で実施するインターンシップに参加する場合
引用:青森県庁ウェブサイト「青森県UIJターン還流促進交通費助成」

まとめ

青森県へのUターン就職には、生活費をおさえられる、通勤ラッシュから解放される、自然を感じながら生活できる、イベントを楽しめるなどのメリットがあります。Uターン就職に対するサポートや助成金などもあり、Uターン就職を促進しているのも特徴です。

一方で、全国に比べて有効求人倍率・平均年収・最低賃金が低いことなどには注意しましょう。就職事情を理解して、自分に合った稼ぎ方を検討する必要もあります。

青森県の特徴や就職事情、メリット・デメリットを詳しく理解して、青森県へのUターン就職を検討してみてください。

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