皆さんは「地方起業」という言葉をご存知ですか?
どんな世代でも起業をしてもおかしくない時代となり久しいですが、皆さんも起業について考えてみたことが一度は考えたことがあるかもしれません。
「周りが起業しているけど東京での起業は少し怖い…。」
「雇われている方が楽だし、自分には無理だと思う…。」
そんな声も少なくないでしょう。
確かにビジネスの最先端でもある東京での起業は、確かな自信の持てるノウハウがないとなかなか踏み出すことは難しいかもしれません。
そこで注目したいのが、今回触れていく地方起業です。
地方で起業することには様々なメリットがあり、実はとても注目されているのです。
地方起業とは何なのか、起業について悩んでいる方はぜひご覧ください!
なぜ地方起業が話題になっているのか?

地方起業について詳しく触れていく前に、そもそもなぜ地方起業というものが話題になっているのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこでまず始めに、地方起業が話題となっている背景や現代の働き方との関連性などについて触れていきます。
地方での生活は、都会の慌ただしい雰囲気から離れることができる「スローライフ」の実現に最も近い環境です。
近年多く実施されている働き方改革、リモートワークや在宅勤務の需要が高まってきている背景にも地方の生活が繋がってきます。
話題のUIJターンなどとも関連していて、地方出身の方が生まれ育った地域で定住しながら働くことが当たり前になりつつあるのです。
これらの点からも、都会の喧騒から離れた地方の生活の中で働くことの重要性が見えてくると思います。
しかし、そうなると出てくるのが、地方で企業に就職をするだけではダメなのか?という疑問です。
地方にある企業に就職するのがマイナスになるということは決してありませんが、地方だと都会と比べてどうしても就職するべき企業自体が少なくなってしまうのです。
そこで注目したいのが「地方起業」ということになります。
簡単に言えば、就くべき仕事が見つかりにくいならいっそ作ってしまおう!ということです。
地方起業を促すメディアなども増えてきて、地方=働きにくいという印象も変わってきています。
特に最近では、コロナウイルスの影響で出社に関する意識が変わってきたり、そもそも都会のオフィスで仕事をしなくてはいけないということでも無くなり始めてきました。
そういった背景からも、ゆとりを持って落ち着いた気持ちで仕事ができる地方での起業が話題になっていることが分かります。
地方起業の5つのメリット!

話題となりニーズも高まっている地方起業ですが、実際に起業するとなるとどういったメリットがあるのか気になります。
ここで紹介するのは地方起業によって得られるメリットについてです。
地方起業の主なメリットは以下の点。
- コストの低下
- 地方ならではの制度や価値、ネットワークがある
- 誘惑が少ない
- ライバルが少なめ
- 都会と比べて通勤が快適
では、それぞれ詳しく触れていきましょう。
コストの低下
地方だけでなく、都会での起業でも当然ネックになる点といえば費用に関わる問題。
都会と比べると地方起業の方がコストを削減しやすいメリットがあります。
なぜかというと食費や経費で購入する物品、賃料や人件費などの物価が安いからです。
物価が安ければその分事業にお金を回せますし、長い目で経営を考えた時のランニングコストを抑えることにも繋がってきます。
地方ならではの制度や価値、ネットワークがある
地方には都会にない様々な支援などがあります。
都会と比べると起業することそのものを歓迎していることが多いので、補助金や助成金、ビジネスの拡大といった面で起業家を優遇する制度が設けられている自治体も多いです。
起業に対するサポートはもちろん、税金面でも優遇を受けられる場合もありますので、地方起業を検討する場合にはこちらも頭に入れておくと良いでしょう。
都会にはない地方ならではの特色を活かした付加価値をつけることができるのもメリットです。
例えばご当地グルメのお取り寄せや観光スポットに関連するものを使っていけば、起業としてのブランディングになりやすいでしょう。
地方であれば伝統的な文化も多いので、それらを現代のネットワークや技術でアップデートしてさらに広めていくことも可能です。
そうすることでその土地の文化を継承した起業としての付加価値が期待できるでしょう。
地方特有の経営者ネットワークやコンサルティングなどもありますので、積極的に活用をして地方起業を成功させるイメージを固めていきましょう。
誘惑が少ない
意外と注目したい地方起業のメリットとして挙げられるのが誘惑が少ないという点です。
東京などの都会と比べると地方は娯楽施設や深夜まで営業している店舗も少なめな印象ではないでしょうか。
なので仕事中や仕事終わりの誘惑が少なく、会社から自宅へ直帰して次の日に備えるという生活がデフォルトになりやすいので、疲れが残らずに仕事に向かえます。
また、1日の多くを仕事に使えるので効率よく仕事を行うことができますから、仕事と休みのメリハリが付きやすいのも大きな利点でしょう。
ライバルが少なめ
ビジネスに於いて重要になってくる反面、時には障害になってしまう「競合」という名のライバルたち。
地方で起業をすることでライバルが少ない環境で仕事をすることができます。
「参入障壁」という言葉があるぐらいなので、ビジネスをする上で競合の存在は切ってもきれないもの。
競合が多いほどそれらを突き放すことができれば事業が大きくなりますが、如何せんリスクも大きいです。
初めての企業であれば尚更、ライバルの少ない地方に狙いを定めて起業するのも戦略としてありかもしれません。
ただし、競合が少ない反面で顧客が付きにくいという側面もあるので注意しましょう。
都会と比べて通勤が快適
地方で働くと通勤時に感じるストレスが軽減されるというメリットがあります。
都会での通勤で意外とストレスになりやすいのが満員電車や渋滞です。
毎日続くことなので体力的にも辛く感じやすい点でしょう。
地方であればそもそも電車が少なく、満員電車にもなりにくいので電車での通勤がストレスになりません。
車社会の地域も多いですが都会とくらべて運転マナーも良く、運転しやすい道が多いので快適に通勤できます。
電車内で座りながら1日のスケジュールを確認したり、車内でラジオを聞きながら仕事のイメージを固めることができるので、都会と比べて通勤時間を有効なものにしやすいでしょう。
地方起業の3つのデメリットとは?

メリットが多い反面、都会と比べた際のデメリットも当然ありますので紹介していきます。
地方起業のデメリットとされるのは主に以下の点です。
- 新規企業では顧客が獲得しづらい
- 人員や人脈の確保が難しい
- 流行に乗るのがワンテンポ遅れる
では、それぞれについて解説しましょう。
新規企業では顧客が獲得しづらい
先ほど地方起業のメリットの項目でも触れた競合が少ないという点は、裏を返せば顧客の獲得が難しいことを表しています。
地方は老舗企業や長年顧客として利用している企業のみで生活が成り立っている可能性もあります。
ライバルとなる企業が少ない分、こういった現状から新規の企業自体が受け入れてもらいづらい環境なのも地方の特徴なのです。
新しいものを受け入れず、保守的になってしまいがちな地方ではそもそもの市場が小さいことも起業にとってマイナスです。
田舎は暖かいというイメージが強いですが、むしろ都会よりも排他的な地域もありますので、起業をする際には地域の特徴や雰囲気について事前にリサーチしておきましょう!
人員や人脈の確保が難しい
顧客の確保と同様に、人員や人脈を確保することが難しいのも地方起業のデメリットです。
地域に長年根付いた企業が多いため、求人の募集や希望もそちらに集中してしまいがち。
新しいものを受け入れにくい田舎特有の雰囲気から、新規企業へそもそも転職しようと考える人が少ないのが現実です。
同じような理由から、人員確保にも繋がる人脈を広げることも都会と比べるとやりづらさを感じます。
例えば、その地域ではどんな求人が人気なのか、人員を確保できている企業はどんな施策を行っているかなど、人員や人脈に関する障害が少なくなるような事前準備をしておきましょう。
最近はオンラインにおけるイベントやUIターンなどのイベントで人員や人脈を作るのは、そこまで難しいことでは無くなってきています!
UターンやIターンについてを詳しく知りたい方はこちら!
流行に乗るのがワンテンポ遅れる
地方だと意外とネックなのが、都会と比べて流行がワンテンポ遅いという点です。
顧客の獲得などが順調であればそこまで気にする問題でもないかもしれませんが、会社を軌道に乗せるためにはいかに最先端の情報や技術を貪欲に取り込んでいくかが重要になります。
流行りに乗っかったビジネスを始めようにも、地方で流行るまでには時間がかかってしまい、いざ始めようとしたタイミングではもうあまり新鮮な流行ではない…という悪循環に陥りやすいので注意しましょう。
時代に左右されにくい会社の基盤をしっかり作成し、その中に流行を取り入れながら変化させていくようなスタイルでないと地方で流行を使ったビジネスをするのは難しいかもしれません。
ただ、こちらもIT化が進んでいるので地方でも流行りの情報をキャッチするのは容易になってきています!
地方起業の基本ステップ

地方起業のメリットとデメリットについて知った上で、実際に起業する際のステップも押さえておきましょう。
基本的な手順として以下のステップを踏むことが一般的です。
- 起業の理由を明確にする
- 取り扱う商材やサービス、ターゲットについて考える
- 起業する方法について考える
- 資金調達
- 起業の手続きをする
では、それぞれのステップの内容についても触れましょう。
起業の理由を明確にする
起業する上で、なぜ起業したいのか改めて考えることは非常に重要です。
「起業しないとできないことなのか」
「実際に起業する上でどんなビジョンがあるのか」
「起業をしてどうなっていきたいのか」
など、今いる環境を変えてまでする必要があるのか一度じっくり考えることが大切です。
取り扱う商材やサービス、ターゲットについて考える
起業の理由を明確にして、次のステップに進みましょう。
実際に自分が始める事業の内容とターゲットについて決めていきます。
特に地方起業の場合だと老舗企業が多く根付いている地域が多いので、手強い競合としてリスクが高い状況になるかもしれません。
移住先で受け入れられやすく、尚且つ競合が少ないサービスなどに目をつけるのが手堅いかもしれません。
人生を左右する決断になりますので、どういった事業が成功しやすいか時間をかけて考えていきましょう。
起業する方法について考える
起業の形態もとても重要な観点です。
主な起業の形態とその特徴を挙げておきます。
- 法人として設立→役所で認証を受け、法務局や税務署などで手続き。
賃貸や資金調達の主体も法人となる。 - 個人事業主→税務署に開業届を提出する。
累進課税制度が適用されるので所得に応じて納税額が上がる。 - フランチャイズ→大手チェーンに加盟する形態。
加盟金と月毎のロイヤリティを支払う必要があるが、ノウハウを学びやすい。
どの形態が自分に合ってるか、それぞれの特徴をしっかり理解した上で判断しましょう。
資金調達
いくらプランがしっかりできていても、それを実現する資金がないと全て無駄になってしまいます。
起業を考えた時点で1~3までのステップと同時進行、またはそれよりも先に資金については考えておいたほうがいいでしょう。
近年では支援制度が増えてきているので、融資を受けたり、補助金などの制度を利用するのもおすすめです。
起業の手続きをする
ここまでで起業の準備が整いましたので、最後は起業の手続きです。
法人の場合に必要な手続きは以下の通り。
- 定款の認証/定款の提出
- 設立登記
- 法人設立届出書
- 健康保険と厚生年金保険加入
- 給与支払事務所などの開設の届出
続いて個人で起業する場合に必要な手順です。
- 個人事業の開業、廃業等届出書の提出
- 所得税の青色申告証人証明書の提出
- 給与支払事務所などの開設の届出
どちらの形態で起業するのか決めた上、これらを参考にしてください。
補助金や支援制度について

地方起業の基本的なことについて解説してきましたが、いざ起業するとなると気になるのが補助金などの支援について。
ここでは地方起業に関連する支援制度などについて触れていきます。
地方起業の際に受けられる支援は以下の2種類です。
- 起業支援金
- 移住支援金
では、それぞれの金額や受給条件などについて解説しましょう。
起業支援金
起業による地方の活性化や課題解決を補助する目的として受けられる支援金のことを「起業支援金」といいます。
支援金を受けることで起業した事業が地方創生を実現させることを目的としています。
受給の対象となるのは以下の条件を満たした場合です。
- 東京圏以外の都道府県、条件ふり地域において社会的事業の企業を行う
- 公募開始日以降から補助事業期間完了日までに個人開業届または法人の設立を行う
- 起業地に居住している、または居住予定である
続いて受給までの流れです。
- 公募開始
- 執行団体へ支援金の申請
- 審査
- 交付決定
- 開業
- 法人設立
- 伴走支援
- 実績報告
- 支援金生産
上述した3つの条件を満たせば、これらの流れで最大200万円の支援を受けることができます。
起業支援金についてもっと詳しく知りたい方は「こちら」から確認しましょう!
移住支援金
地方で起業する場合には起業だけでなく移住にもコストがかかります。
移住支援金は起業を目的とした移住を対象に受給することができる支援金です。
以下の3点に該当する場合に受給対象となります。
- 移住前は東京23区に在住または通勤している
- 移住先が東京圏外か東京圏内の条件不利地域である
- 移住支援金の対象となる求人に新規就業した場合か起業支援金の交付対象となっている
起業の場合の受給までの流れは以下の通りです。
- 公募開始
- 起業支援金の申請
- 審査
- 交付決定
- 1年以内に移住先へ移住支援金の申請
- 支援金支給
移住先の企業に就職する場合にも移住支援金が対象となる場合もあるので、詳しくはこちらを参考にしてください!
これらの条件や申請の流れを経て、都道府県が設定した最大100万円以内の支援を受けられるのが移住支援金の特徴です。
どんな職種の起業が狙い目か

起業する時に気になる点として、狙い目となる企業はなにか?ということがあります。では、主にどのような職種が狙い目なのでしょうか。
まず第一に考えられるのは移住先の特色を生かした起業というのがあります。
例えば農業が盛んであれば農業をしたり、林業や漁業が盛んであればそちらを選択するのも手です。
ただこの場合、競合となる相手が専門的なので一朝一夕では届かない可能性も高いです。
盛んではあるけど意外と手をつけていない範囲をうまく狙っていきましょう。
もうひとつ挙げるとすると、IT系は今特に強いかもしれません。
コロナの影響でリモートの需要が高まっていますので、比例して地方にいながらIT事業をしたい、または就職したいという需要も高まっていきます。
地方であればITの競合が少ない場合も多いので、その地域にない観点での事業展開を行えば成功の確率は上がるかもしれません。
他にも地域の課題を解決するような内容の事業なども地方起業ならではのものなので候補になるでしょう。
ご自身のスキルと理想に地域の需要がどうマッチするかを考えておきましょう。
また、成功しやすいビジネスには、
- 高い利益率
- 在庫を持たない
- 安定した収入
- 少ない資本で始められる
といった特徴がありますので、これらの点に当てはまる事業を探すのも手かもしれません。
地方起業に向いている人の特徴

では、地方起業の特性がある人にはどのような特徴があるのでしょうか。
主な特徴としては、
- 地域の特産などに興味がある
- 観光について学びたい
- コンサルが得意
- ブランディングを上げる術を知っている
- ITスキルが高い
などがあります。
反対に特性がない場合だと、
- 目先のコストばかりを意識しがち
- 地域に対する愛情が浅い
- 結果をすぐ求める
などの特徴があるようです。
ご自身の性格などと照らし合わせて考えてみましょう。
地方起業の教科書に!成功例を紹介

それでは最後に、地方起業をお考えの方に見てほしい成功例をいくつか紹介していきましょう。
主な企業名と簡単な事業説明については以下の通り。
・シタテル株式会社→熊本で衣服生産のプラットフォームを実現させ、工場や職人、個人や企業などとの繋がりを作る
・霧島酒造株式会社→宮崎県の大手酒造で、特産品のさつまいもをフォーカスしている。観光客誘致のため「焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン」も運営。
・サイファー・テック株式会社→徳島を住みやすくするためにイメージ改革を目的とした情報発信を行う
・ヤマゼンコミュニケイションズ株式会社→栃木のグルメやファッションなどについてwebで発信する「栃ナビ」を運営
続いて地方起業の成功例がある都市と事業内容について以下に挙げていきます。
・岡山県西粟倉村→森林資源を活かした木工家具や資源再生などのローカルベンチャーを成功例させた事例がある。従来の林業を改革する「百年の森構想」なども有名。
・徳島県神山町→ITベンチャーが古民家を再生したオフィスで注目を集める。フリーランスのアーティストやライター、IT系の人材が多く訪れた「神山アーティスト・イン・レジデンス」というプロジェクトが有名。また、地元食材を使ったレストランや地ビール製造など、観光ビジネスにも踏み込んでいる。
・島根県大田市→義肢や人工乳房などを製造する「中村ブレイス株式会社」が有名。世界中から注文が殺到するグローバルニッチトップ企業。
・石川県白山市→請負耕作ニーズが増加。農業の衰退を防ぐために食品の製造や販売などに事業を拡大させた「株式会社六星」が有名。
まとめ
今回は移住と同様に注目されている地方起業について紹介しました。
大きく環境の変わるものなので、様々なメリットやデメリット、起業の手順など、押さえておくべき基本的な知識が非常に多くなっています。
基本的なこと以外にも、成功のための心構えであったり、受けられる支援についてなど知っておくのも重要。
大変なことは多いですが、ご自身が都会で抱えた悩みや理想について切り拓くための手段として地方起業はとても魅力的です。
地方起業について知りたいという方を始め、起業についての知識を改めて知りたいという方もぜひ今回の内容を参考にしてください。